【レポート】「アサルトリリィ Last Bullet」開発・運営を円滑にするDBスキーマとマスターデータの自動化 #CEDEC2021 #classmethod_game

【レポート】「アサルトリリィ Last Bullet」開発・運営を円滑にするDBスキーマとマスターデータの自動化 #CEDEC2021 #classmethod_game

Clock Icon2021.09.15

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こんにちは!ゲームソリューション部の岡本です。

2021年08月24日から08月26日の間に開催されているCEDEC2021に参加していました。

参加したセッション「アサルトリリィ Last Bullet」開発・運営を円滑にするDBスキーマとマスターデータの自動化についてレポートします。

セッション概要

  • スピーカー
    • 原田 大志 氏 株式会社ポケラボ ゲーム事業本部 エンジニア
  • 資料

オンラインゲームアプリの開発をする上で、複数のバージョンが平行で開発される、もしくは開発用、QAチェック用など、さまざまな環境を同時に運用する必要がでてきます。

ここで環境というのは、デプロイされているサーバのソースコード、DBに適用されているスキーマ構造、インポートされているマスターデータのおよそ三つに分けることができますが、問題になりやすいのが、どの環境にそれぞれ何が適用されているのか、を環境が多くなればなるほど把握しづらくなってしまうことです。

そこで、「アサルトリリィ Last Bullet」ではコードのデプロイからDBスキーマのマイグレーション、マスターデータのバリデーション〜インポートまでを1プロセスとして自動化することで

  • 適用忘れ、不適切なマスターデータの適用によるダウンタイムを減らして開発作業を止めない
  • テストの巻き戻りを防ぐ
  • 適用作業に人員を割かない
  • 適用プロセスの属人化を防ぐ

これらの問題を解決しました。

本セッションでは、使用したツールやカスタマイズポイントなどを、実際に使用しているコードを交えながら紹介します。

セッション詳細

自己紹介

自動化の目的

  • 自動化そのものが目的ではない
    • 自動化はあくまで目的達成のための道具
  • 自動化により...
    • 一貫性を保証する
      • 誰がやっても同じ結果を得られるようにする
    • 作業の属人化を防ぐ
      • 設定項目を極力減らし、誰でも理解出来るようにする
    • 作業リードタイムを減らす
      • ワンプロセスの中で、全ての作業が終わるのが理想

  • 目標(目指すべき姿)
    • JenkinsのJOB画面を環境とバージョンを指定し、ボタンを押すだけにする

DBテーブル構造の更新

  • 単純に考える場合
    • ①現在のテーブル構造
    • ②変更に必要なSQLを構築
    • ③対象のDBに実装
  • 複数環境を運用している場合、考えるべきこと
    • 元のテーブルがそのバージョンでの最新になっているか
      • それまでの変更が全て適用されているか
    • その変更はその環境のバージョンに対し、必要な変更か
    • 正しい実行順序が守られているか
    • 同時に実装されるべき変更とプログラムは全て揃っているか
    • その変更はその環境において未実施か
  • 考えるべきこと、をDBマイグレーションツールを使って実現
    • それまでのバージョンで必要なファイルだけを実行可能
    • 必要なバージョンブランチに対して必要なファイルだけコミット
  • 使用ツール
    • phpmig(https://github.com/davedevelopment/phpmig)
  • カスタマイズポイント
    • SQLをパースして、実行するDBを自動判別する。
    • シャーディングされたDBに対応

マスターデータの更新

  • Microsoft Excel
    • マスターデータの入力に使用。プランナーが担当
  • Excelから直接DBに直接移行は難しいため、インポートツールを自作し、CSV→DBへ

  • 重要なこと
    • リポジトリの中を常に動作可能な状態を維持する
    • マスターデータの更新が入り込むフローを限定、リポジトリに登録される前に必ずテストを通す
  • エクスポータ
    • Excel及び、Excelマクロを利用
  • インポータ
    • phpで作成
    • エクスポータで出力されたcsvを対象に1行づつ挿入/更新を行うSQLを組み立てたシンプルなもの

最終的な結果

  •  全てをワンプロセスで完了出来るように
    • デプロイされているソースコードの更新
    • DBマイグレーションによるテーブル構造の更新
    • マスターデータ更新
  • 改善点
    • マスターデータの設定ミスは完全に防ぎきれてはいない
    • 今回の仕組みのバリデータに関しては対応しきれていないものがある
    • 更なるバリデータのルール追加
    • フロー改善を行っていく

感想

  • とても実践的で、コードデプロイからデータの反映までの自動化ポイントが網羅されていました。
  • レポートでは一部を纏めていますので、気になる方はぜひCEDiLの資料を見てみましょう!

ポケラボさんではアサルトリリィラストバレット関連のセッションを他にも3つ開催されていました。他3つのセッションもレポートしていますので興味があれば是非見てみて下さい。

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